魔王様奮闘記~カラスミは大人の味~

この作品は作者はやまおう。の著作物です。
利用の際、製作者を偽る事は禁じます。
イプ劇、こえ部Liveでの上演以外の利用の場合は、
BBSにご一報ください。
※この台本はノリだけで書いてます。
BL表現、下ネタが苦手な方はお気を付けください。

                 登場人物紹介

魔王(♂) どこか頼りないゆるい感じの魔王。
何故かツッコミに回されたりしている。
ルックスはそこそこ良いようだが、
とりあえず、ヘタレな草食男子っぽい。
部下に振り回されている。
ナナコ(♀)
年齢不詳のメイドさん。
メイドなのに大物感がたっぷりで威圧的。
時々吐く暴言等から、ドSと推測される。
割と常識的ではあるが、飛んでいるところも。
その切り替わりタイミングは謎である。
アスモデウス(♂) 色欲を司る魔王四天王の一人。
優秀な雰囲気を醸し出しているが、
魔王を性的に見てるだけのド変態。
ゲイではなく、バイセクシャルらしい。
ってか、こだわりはないらしい。
レヴィアタン(♀) 嫉妬を司る魔王四天王の一人。
何かと同性と張り合いたがる。
妙齢ではあるが、自分を可愛く見せようと
必死であるような雰囲気を漂わせている。
目の前でいちゃつかれるのが大嫌い。
ベルフェゴール(不問) 怠惰を司る魔王四天王の一人。
動く気力のないけだるそうな少年。
いつも眠たそうにしており、隙あらば寝る。
お母さんは怖いらしく、母親の真似をされると
高確率で起き上がる。
ベルゼブブ(♂)
暴食を司る魔王四天王の一人。
食べることが大好きで、普段は吃っている。
特にマヨネーズが好きらしく、
マヨネーズをが好きな人はいい人。
マヨネーズを嫌いな人は悪い人と認識している。

                   役表

魔王様奮闘記~カラスミは大人の味~

魔王♂:     
ナナコ♀:    
アスモデウス♂:   
レヴィアタン♀: 
ベルフェゴール♂♀:
ベルゼブブ♂:

http://j.mp/1fm5k56

              本編

 

魔王:「私は魔王。
    ご存知の通り、魔族達の王だ。
    しかし、本当は魔王とかそんな面倒な事よりも、
    まりもとか、クラゲとか、そういう物を愛でるのが好きな

    2億四千万歳。
    先代の魔王より、
    ひょんなきっかけで受け継いでしまって早、3年に。」

ナナコ:「長い独り言ですね。」

魔王:「こんな独り言があるか!?
    物語の冒頭を飾る、その…視聴者への挨拶のようなものだ。」

ナナコ:「視聴者?」

魔王:「なんでもない!」

魔王M:こやつはナナコ。
    この魔王城にいつからいるのかわからない、たった一人のメイド。
    メイドのクセに、なんだかとっても偉そうで、いつも私を…

ナナコ:「それ以上言ったら、頭のその角へし折って、
     ケツに刺すぞコルァ。」

魔王:「何も言ってないでしょう?!」

ナナコ:「顔が喋ってるんですよ。
     魔王様は何でも顔に出るから…。」

魔王:「か、顔が喋るって…斬新な言い方するね、君は。
    確かに口は顔にあるけど…。」

ナナコ:「ブツクサうるさい!!
     ほら、四天王がお待ちです。

     さっさと行って魔王らしいことして来い!!」


【魔王の尻を足蹴にするナナコ】

魔王:「ぴゃああああああああああ!!」

 

ナナコ:(タイトルコール)魔王様奮闘記~カラスミは大人の味~

 

魔王:「え?カラスミ?…なんでカラスミ…?」

アスモデウス:「魔王様。」

魔王:「あ、アックン。来てたんだ。やっほ。」

アスモデウス:「今日も相変わらず麗しきそのお姿…。
        お目にかかれて、このアスモデウス。
        もう既に、股のマシンガンが…。」

ナナコ:「せいぜいニューナンブ程度だろ。」

魔王:「ちっちゃ!銃の中じゃメッチャちっちゃいよそれ!
    お巡りさんが持ってるアレでしょ?」

アスモデウス:「発砲許可を出してください。」

魔王:「君もボケるねぇ…。
    ってか、私は男だよ?

    なんでそういう目で見られなきゃいけないワケ?」

アスモデウス:「色欲といえば、このアスモデウスですから。」

魔王:「納得…うん、出来ない。
    ところでさ、他の3人の姿が見えないけど?」

ナナコ:「ベルゼブブ様なら、先ほど厨房に…。」

魔王:「またか…。
    あいつが来る度に、この魔王城は食糧難に陥る…。
    そろそろ、何か対処法を考えないとな…。
    それで、ベルフェゴール君とレヴィアたんは?」

アスモデウス:「ベルフェはここへ着くなり、

        ゲストルームへ直行しましたが。」

魔王:「…こないだもそれじゃーん!!
    何?毎回ここに寝に来てるの?あの子!」

アスモデウス:「下手なラブホより綺麗だし、寝心地もいいですしね。」

魔王:「アックン、君ラブホとか使ってるんだ。」

アスモデウス:「今度一緒にどうです?」

魔王:「うん、断る。で、レヴィアたんはどうしたの?」

アスモデウス:「あやつめは、ナナコ殿に嫉妬心を燃やし、

                       何故かメイド服に着替えておりましたが…。

        はてさて、どこに行ったや…」

 


【ミニのメイド服を着たレヴィアタンが乱入してくる】

 


レヴィアタン:「まお~さまぁあああああああああ!!

       (盛大にこけて)パルプンテ!」

魔王:「盛大にコケたついでにパルプンテ唱えたぞ!あの子!!」

ナナコ:「あ!魔王様!!」

魔王:「な、なんだ!!」

ナナコ:「魔王様のアホ毛が4、5本増えてます!」

アスモデウス:「何が起こるかわからないパルプンテ…。」

魔王:「なんて地味な!!」

アスモデウス:「どうせなら魔王様を女体化とかだな…。」

魔王:「貴様しか得しないだろーが!!」

レヴィアタン:「いてて…やーん、転んじゃったー。テヘッ。」

アスモデウス:「引っ込んでろ、年増。」

レヴィアタン:「キー!!なんですってぇ!!」

 


【うなだれる魔王】

 


魔王:「何もう…自由な子達しかいないわけ?
    とりあえず、他の二人呼んできてよ。
    これじゃお話進まないよ…(涙目)。」

 

ナナコN:仕方なく、魔王様の命令で他のお二人を玉座前に呼び出し、
     ようやく四天王が全員揃いました。

 


魔王:「さて、全員そろ…あれ?」

ベルフェゴール:「ぐー…むにゃむにゃ…」

魔王:「ベルフェゴールくーん?
    おじさん、これから大事な話するから…起きてくれないかなぁ?」

ベルフェゴール:「あと5分…むにゃむにゃ…」

魔王:「(ため息)…ナナコ、アレを。」

ナナコ:「はっ。
     (息を大きく吸って)…いつまで寝てるの!!
     お尻ひっぱたくわよ!!」

 

【慌てて起きるベルフェゴール】

 


ベルフェゴール:「ふぇっ!?ごめんなさいママ!!…あれ?」

魔王:「あれ?じゃないよ。
    これから大事なお話するんだから、起きてなきゃ。」

ベルフェゴール:「なんだ…魔王様か…むにゃむにゃ…。」

魔王:「ねぇ、この子絶対、魔王の事舐めてるよ。ねぇ。」

ナナコ:「ベルフェゴール様、

     お話が終わったらパフェでもお作りしますから…」

ベルゼブブ:「パフェッ!」

レヴィアタン:「あら、横綱が食いついたわ。」

ベルゼブブ:「ナナコしゃん!ぼ、ぼくにもパフェ作って欲しいんだナ!
       バナナとチョコと生クリーム、

       ついでにマヨネーズも多めで…」

魔王:「マヨネーズパフェとかどこの副長だよ!!」

アスモデウス:「おや、魔王様。意外と知ってるんですね。」

魔王:「え?いや、ほら…流行ってるアニメとかって、
    なんかこっちから調べなくても自然に聞くっていうか…ね?」

レヴィアタン:「あー、あるある!
        私も甥っ子の影響で、

       『シャバドゥビタッチヘンシーン!』って覚えちゃったもの。」

ナナコ:「甘いですねぇ、最近は『ブドーウ』らしいですよ?」

レヴィアタン:「し、知ってるわよ!!
        他にもアレでしょ…その…パイーンとか…いるんでしょ?」

魔王:「今、絶対当てずっぽしたね、この子。」

ベルフェゴール:「レヴィは、ナナコに負けたくないんだって。」

レヴィアタン:「な、何言ってんのかしら?
        ちょっとばっかし若くて、可愛いからって
        このレヴィアタン様がこんな小娘に…
        ってか、むしろ勝ってるわよ!!」

ナナコ:「流石は嫉妬のレヴィアタン様…(呆れ)。」

ベルゼブブ:「ブドウにパイン…ピーチもいいな…ジュルル」

アスモデウス:「こっちはこっちで食べ物しか考えてないし…。」

魔王:「それを、私の尻を触りながら言わんでくれ…。
    さて、ここからは真面目な話をするぞ?
    予てより、魔王討伐をうたって、『勇者』とやらが、
    この魔王城に向かっているとの事だが。
    ベルフェゴールよ、監視は続けているのだろうな?」

ベルフェゴール:「してますよぉ?
         この間、公園で日光浴してたら、

         目の前を通って行きました。」

魔王:「…で?」

ベルフェゴール:「それだけです。」

魔王:「いや、待って。
    勇者が通ってったんだよね?」

ベルフェゴール:「はい。」

魔王:「…なんで、そのまま通らせちゃったの?
    止めようとしなかったの?戦おうとしなかったの?」

ベルフェゴール:「すごく、天気が良かったんですよ。」

魔王:「うん」

ベルフェゴール:「ぽかぽか、春の陽気っていうんですか?
         空もね、雲ひとつなくってね…。」

魔王:「ほほう。」

ベルフェゴール:「もう、寝ろと言ってるようなもんですよね。
         こんな時に戦うのはバカか、悪魔ですよ。」

魔王:「お前が悪魔だろ!!戦えよ!!」

ベルフェゴール:「嫌ですよ…戦うとか、面倒くさいし…。
         話し終わりですか?寝てもいいですか?」

魔王:「くぅ…流石は怠惰のベルフェゴール…いや、褒めてどうする。
    それでだな…その後、レヴィアタンの支配する海を渡った…
    との報告だが…。
    なんだ?お前も…見逃したのか?」

レヴィアタン:「追いかけようと思ったらね…
        なんか、豪華フェリーっていうのかしら…。
        超リッチな船が前を通ったのよ。」

魔王:「ふむ?」

レヴィアタン:「そしたらね?甲板にいい男がいてね?
        あら、素敵!って思ったわけ。」

魔王:「ほう?」

レヴィアタン:「そしたら、ちょっと鼻につく女が来てね?
        目の前でいちゃつき始めたのよ?
        ムカつくでしょ?何?私へのあてつけ?えぇ?!」

魔王:「…だめだこりゃ。
    その後、ベルゼブブ。
    お前の支配する腐敗の沼に訪れたとあるが?」

ベルゼブブ:「あ、あのね、まおう様。」

魔王:「うん?なんだ?」

ベルゼブブ:「ゆ、勇者ね。け、結構いい子なの。
       あ、あのね。ぼくにね。
       お腹すいてるなら、これを食えって
       りんごの皮と、食べ残しのピクルスと、
       からしマヨネーズの袋。く、くれたんだよぉ?」

魔王:「…それ、いらないから押し付けられて…ゴミじゃん。」

ベルゼブブ:「NOOOOOOOOOOOOOOOOO!!
       マヨネーズくれる人、いい人!」

魔王:「本当にお前は食い物しか頭にないのだな…。
    それで、アスモデウス。」

アスモデウス:「はい。」

魔王:「お前も、日頃から『魔王LOVE』と騒いでるくせに。
    お前の支配する森を通った勇者を見逃している。
    これはどういうことだ?」

アスモデウス:「そ、それは…。」

 


【口をモゴモゴさせるアスモデウス】

 


ナナコ:「怪しい…。」

アスモデウス:「そ、そんなことはないでござる!」

魔王:「ござる?!」

レヴィアタン:「口調がおかしいわ。」

ベルフェゴール:「なにか隠してる…?」

 


【ベルゼブブ、アスモデウスの匂いを嗅いで】

 


ベルゼブブ:「あ、アスモンから。な、何か臭うんだナ。
       こ、こう…し、思春期のだ、男子の部屋み、みたいナ。」

魔王:「思春期の男子?」

 


【一斉に匂いを嗅ぐ一同】

 


レヴィアタン:「なっ?!ア、アスモデウス…これは!(笑)」

ナナコ:「紛れもない、ですね。」

魔王:「…アックン…。」

ベルフェゴール:「うわぁ…なんだろこの匂い…」

4人:「イカ臭っせ!!」

アスモデウス:「やめてぇぇぇぇぇ!!ひゃああああ恥ずかし乙女!!」

 

【顔を覆うアスモデウスの衣類から、何かが落ちる】

 


ベルゼブブ:「な、何か落ち…落ちたんだナ。
       …し、知らないこ、子供がう、う、写ってる。

       しゃ、写真なんだナ。」

 


【拾い上げた写真を受け取る魔王、みるみると青ざめる】

 


魔王:「…これは…。」 

レヴィアタン:「え?なになに?」

ベルフェゴール:「でも、どこかで見たことあるような…。」

ナナコ:「これって…もしかして…」

3人(魔王以外):「魔王様!?」

魔王:「…子供の頃、川遊びをしている時の写真…。
    アスモデウス、貴様…。」

アスモデウス:「い、いや!ち、違うんですよ?
        『魔王様hshs』とか言いながら、
        武器の手入れなんてしてませんとも!!えぇ!」

魔王:「…そこまで…聞いてない…(涙目)。」

ナナコ:「でも…なんで、アスモデウス様がこんな写真を?」

アスモデウス:「実は…その…恥ずかしながら…勇者に…」

レヴィアタン:「買収されたの?!信じられない!」

魔王:「いや、君にも言う筋合いはないよ?」

ナナコ:「待ってください!
     なんで、勇者が魔王様の子供の時の写真を?」

ベルフェゴール:「あれ…?
         この写真、魔王様の他にも写ってる子がいるよ?」

アスモデウス:「あぁ、そういえば勇者の奴…。
        この子供によく似ていたな…。」

魔王:「何?もう一度見せてみろ。」

 


【再び写真に目を通す魔王】

 

 


魔王:「…え?…いや、嘘だ…アハハ…アハハハハハ…。」

 


【絶望に満ちた乾いた笑い声を上げる魔王】

 


ナナコ:「どうしたんです?魔王様。」

魔王:「いじめっ子の『ゆうちゃん』じゃないか…

    アハ…やっべ…やられる…アハハハハ…」

ナナコM:なんと、勇者の正体は。
     子供の頃、魔王様を苛めていたガキ大将でした。
     それを知った魔王様は自室に引きこもり、

     出て来なくなってしまいました。
     まぁ、この城にいれば、

     いずれは勇者がやってくると思うんですけどね…。
     そこまで頭が回らないんでしょう、バカだから(笑)。

【続くのか?】