作品紹介

 フランス南部のとある田舎町。

町外れの小高い丘の上に、古い石造りの家があった。

いつからそこにあるのか知っている者はいない。

この家の主、アルジャン・リシャール。

一見、若々しく見えるが実年齢は854歳。

彼は不老の力を手に入れた(自称)『天才錬金術師』だった。

永遠の時を孤独に生きていたアルジャンだったが、

長年の研究の末、ホムンクルスの製造に成功する。

名は、共に永久を変わらぬ姿で見送っていた青い空から

『シエル』と名づける。

しかし、アルジャンは知らなかった。ホムンクルスの本来の存在理由を。

それを知っているのは、先見の魔女『ヴィジュ』だけであった。

 

―そして、アルジャンは胸の中に有り得ない感情を宿す。